工場やオフィスの天井に並ぶ銀色の筒はなぜあんなに綺麗なのか?
天井や壁を隠さずに、そのまま金属の管を這わせる方法を露出配管と呼びます。
デザイン性を重視したオフィスや、工場の天井でよく見かける工法。
これには、単に見栄えを良くするだけでなく、建物の安全性を高める大切な役割があります。管が1本だけならまだしも、何本も平行に並べる場合はカーブの角度を揃えるのが至難の業。
露出配管に使う金属製の管には、ネジのない薄手のものや、厚手のものなど複数の種類が存在し、現場の環境に合わせてこれらを使い分けるのが、プロの技です。
例えば、湿気が多い場所や衝撃を受けやすい場所では、より頑丈な厚手の管を選択。こうして組まれた配管は、中の電線を熱や衝撃、小動物の噛みつきから完璧にガードします。
特に工場では、1本の管に何本もの電線を通すため、内部で熱がこもらないような工夫を導入。法律では、管の内部の断面積に対して、電線の太さの合計を40%以下に収めるルールがあります。
この数字を無視して詰め込むと、電線同士が熱を持ち、火災の原因になるリスクがあります。
また、壁の中に埋め込む方法と違い、どこでトラブルが起きているかが一目でわかる利点もあります。
オフィスの模様替えや、工場のライン増設の際にも、壁を壊さずに配管を付け足すことが可能。
見た目の美しさと、10年20年と続く安全性を両立させる。職人のこだわりがあの綺麗な天井を作り出しています。