幹線工事における「太いケーブル」の敷設と端末処理の全工程
高層ビルや工場などの大規模施設において、受変電設備から各階の分電盤へ電力を運ぶ「幹線」は、建物の大動脈に例えられます。
この工事では、直径が数センチにも及ぶ太いケーブル(CVTケーブル等)を扱うため、物理的な重量と絶縁体の保護に細心の注意を払った手順が必要です。
まず具体的な作業工程は、大きく分けて「通線準備」「引き込み(入線)」「端末処理・接続」の3段階に集約されます。
太いケーブルは自重が重いため、配管内を通す際に発生する摩擦が最大の障壁です。
配管の中に「通線ワイヤー」や「スチール」と呼ばれる細い線を貫通させ、その先に強靭なロープを連結して引き戻します。
次に、ロープの先端に「プーリングアイ」という専用の牽引金具をケーブルの銅線部分に直接固定します。
シース(外装)だけを引っ張ると被覆が伸びてしまうため、内部の導体に荷重がかかるように固定するのが鉄則です。
この際、配管の入り口でケーブルに「入線潤滑剤(シリコン剤)」を塗布します。
そうすると配管内のカーブ箇所での摩擦抵抗を大幅に軽減し、ケーブル被覆の損傷を防止します。
人力だけでは動かない重量級のケーブルの場合、「パワーボール」や「通線ウィンチ」といった動力機を使用します。
作業の核心は、引き込む速度とテンションの管理です。
急激な速度変化はケーブルの断線や被覆の焼き付きを招くため、低速で一定の張力を保ちながら進めます。
また、配管の曲がり角(エルボ)では、ケーブルの最小曲げ半径を遵守しなければなりません。
無理に曲げると内部の絶縁体が損傷し、将来的な漏電の原因となるため、配管自体の曲がりも緩やかに設計されていることが前提です。
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